バングラデシュ政府機関である「バングラデシュ人材雇用研修局(BMET)」の協力のもと、ダッカ管区モノハルディ地域にて「ジャパントレーニングセンター」を開校いたします。

当社とバングラデシュ政府とのMOUの調印は、2025年5月29日に東京都千代田区の全国都市会館にて開催された、駐日バングラデシュ大使館主催の「バングラデシュ人材セミナー」において執り行われました。

調印セレモニーは、バングラデシュの暫定政権を率いるムハマド・ユヌス首席顧問、日本の厚生労働省 仁木博文副大臣、ワタミ創業者の渡邉美樹氏、そしてカイコムグループ創業者のダス・アンジャン氏に立ち合って頂き、セミナー参加者の見守る中で行われました。

このMOUの内容は、国営のモノハルディテクニカルトレーニングセンター(モノハルディTTC)をBMETから提供して頂き、当社グループが施設全体を運営し、これまでの教育ノウハウを活かし実践的なカリキュラムを提供するというものです。
当センターは約1,000名が学習できる施設で、日本で仕事をする上で必要なスキルを研修出来る設備があるだけでなく、寮も備えているので日本での生活の仕方も出国前に学ぶことが可能です。

モノハルディTTCの門
モノハルディTTCの研修施設の一部

当社はこの取り組みを通じて、バングラデシュから日本への人材送り出しをまずは年間3,000名規模に拡大することを目指しています。
さらに、当センターは、バングラデシュ国内に100箇所以上ある国営トレーニングセンターのモデル施設としての役割も担います。
今後は、ここで構築した教育プログラムを全国へと段階的に展開し、バングラデシュ全体の人材育成の質の向上を図ってまいります。

今回、これらのご縁を頂けたのは、2011年の東日本大震災後、ワタミグループ代表の渡邉氏とユヌス首席顧問との出会いに端を発します。
震災慰問で来日したユヌス氏より、“バングラデシュのモデルとなる学校をつくってほしい”との申し出を渡邉氏が受けました。
その想いを受けとめ2013年に開校したが「ナラヤンクル・ドリーム・モデル・ハイスクール」です。
ナラヤンクル・ドリーム・モデル・ハイスクールでは「郁文館夢学園」で実践している「夢教育」だけでなく、バングラデシュにはない運動会や文化祭を開催する等、日本式の教育を実践しています。
現在では、生徒数が1,500名を超えており、生活が厳しい家庭の子供たちは学費・教材費を含めてすべて無償で学んでいます。
同校はバングラデシュ国内でも有数のモデル校へと成長を遂げており、卒業生たちは国内はもちろん、日本をはじめ世界でも活躍を始めています。

セレモニー前に再会を喜ぶユヌス氏と渡邉氏

こうした長年の信頼と実績が、今回のトレーニングセンターの開校および調印へとつながりました。
ユヌス氏と渡邉氏の絆のように、私たちは人材交流を通じてバングラデシュと日本の友好と協力の関係を、これまで以上に強く、確かなものへと育んでまいります。

バングラデシュ国内での雇用創出、日本国内の人材不足の解消、そして両国の懸け橋となることを目指して、私たちはこれまで積み重ねてきた教育ノウハウを最大限に活かし“バングラデシュの未来を創る人材育成モデル”の構築に挑戦していきます。